銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン

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PROFILE

株式会社スマイルズ 代表取締役社長
遠山 正道

1962年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、85年三菱商事株式会社入社。2000年株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。現在、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」のほか、ネクタイ専門店「giraffe」、現代のセレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」、ファミリーレストラン「100本のスプーン」を展開。「生活価値の拡充」を企業理念に掲げ、既成概念や業界の枠にとらわれず、現代の新しい生活の在り方を提案している。近著に『成功することを決めた』(新潮文庫)、『やりたいことをやるビジネスモデル-PASS THE BATONの軌跡』(弘文堂)がある。ニューヨーク、赤坂、青山などで個展を開催するなど、アーティストとしても活動も行っている。

http://www.smiles.co.jp/

RADIO REPORT

vol.182016.02.2619:00-20:00

遠山正道 × 山崎晴太郎

山崎
松屋銀座屋上、ソラトニワ銀座からお送りしております。銀座四次元ポケットプレゼンツ、山崎晴太郎の銀座トークサロン。アートディレクター、デザイナーの山崎晴太郎です。それではここで、ゲストの方をお迎えしましょう。株式会社スマイルズ代表取締役社長、遠山正道さんです。ようこそ。
遠山
こんにちは。よろしくお願いします。

スマイルズ流、新しいことをやる時の四行詩。

山崎
まさか遠山さんに来ていただけるとは思っていなかったので、うれしいです。
遠山
いやいや、とんでもないです。
山崎
僕はあざみ野に住んでいるので、「100本のスプーン」のあざみ野ガーデンズ店には、よく家族でお世話になっています(笑)。
遠山
ありがとうございます(笑)。ちょうど今日からかな。子どもの図書館みたいな、ちょっと新しい試みをしています。
山崎
それは楽しみですね。スマイルズが展開されているお店というのは、本当に素敵なものが多くて。コーポレートサイトを拝見させていただいたんですが、「スマイルズの大切なこと」というメッセージが記載されていますよね。その大切なことの中に、「世の中の体温をあげる」という言葉があったんですけど、これはどういう意図で使われているんですか?
遠山
普通は、企業だと「1,000店舗を目指す」とか、「事業を拡大する」とか、そういう右肩上がりの力の入った目標が多いですよね。けれど、私は当初から、「100より1,000のほうが偉いということはないな」と思っていて…。企業理念も「生活価値の拡充」という、広げて満たす、みたいなことを言っているんですね。要するに、力が入り過ぎてはいないけれど、スマイルズが事業を行うことで、「今まではなかったけど、いつの間にか当たり前になっているよね」というような状態をつくれたらいいな、というところですね。
山崎
概念として持っていることと、言葉にして意味を集約させていく行為って、また別だと思うんですけど、「世の中の体温をあげる」という言葉はどんなタイミングで生まれたんですか?
遠山
この時という記憶は特にないのですが、私が文章の中などで使っているうちに収斂されていって、「あ、この言葉いいね」ということで残っていったんだと思いますね。私は『味の手帖』という雑誌に、18年ぐらい毎月コラムを書いているんですけど。それも、しゃべっているような言葉で紡いでいく感じがあってですね。そういう生の声と、ちょっとポエジーがあるような、想像が膨らむような、そういう言葉を大事にしながらやっています。
山崎
なるほど。今おっしゃったように、会社って、少なからず「企業然としよう」だったり、「堅くしよう」だったり、やっぱりちょっと格好つける部分があると思うんですね。逆に、遠山さんのような柔らかいコミュニケーションをされる方は、もう少し小さなユニットでやられるケースも多いのかなと思っていたんですが…。
遠山
そうですね。そんなに自分たちを企業体というふうに思ったことはないですね。ファミリアな仲間たちという感じで。私はよく会社やブランドを人物にたとえて言うんですけど、まさに会社も人、法人と言いますしね。本当に人の集まりでしかないわけですから、あんまり組織とかね、そういう発想ってもともとないですね。
山崎
なるほど。会社と言うよりは、チームと言うか、家族みたいな感じなんですね。その中で、「Soup Stock Tokyo」であるとか、「giraffe」であるとか、「PASS THE BATON」、「100本のスプーン」など、さまざまな事業を展開されていますけど、事業のほとんどが、遠山さんからはじまっているというのを、どこかで読んだんですけれども。
遠山
今、16年目になるのかな?最初の10年は「Soup Stock Tokyo」1本だったんですね。その後もいろいろとやってそうに見えますけど、ブランドは4つぐらいなんです。だから、そんなに多産な感じではないんですよね。なんでもかんでもポコポコやっている感じじゃなくて、本当に何年かに一度、新しいものが搾り出される、みたいな感じなんですよね。
山崎
なるほど。
遠山
だから今までは、結果的に私が言い出しっぺになっていることが多かったんですけど、「100本のスプーン」は、うちの副社長である松尾が言い出しっぺとしてはじめたものなんですね。彼は分社化した「Soup Stock Tokyo」の社長になったんですが、そういうかたちが、これからどんどん増えていくといいなと思っています。
山崎
たしかに言われてみればそうなんですが、スマイルズさんはいろいろとやられているような印象がありますね。
遠山
そうですよね。なんかバラバラに見えるからかな。あと、最近はアートだったり、社外の人と一緒にプロジェクトをやったりしているので、余計にそう見えるのかもしれませんね。
山崎
その全てで、やっぱり「生活価値の拡充」であったり、「世の中の体温をあげる」ということが背骨になっているんですか?
遠山
そうですね。新しいことをやる時の4行詩があるんですけど、「やりたいという想い」「意義」「必然性」「なかったという価値」というこの4つなんですね。残念ながら、なにをやってもなかなか大変で、「どうしてやっているんだっけ?」とか、「誰がやっているんだっけ?」とか、そういうふうに立ち戻って考えざるを得ないような状況がよくあってですね。「Soup Stock Tokyo」にしても利益が安定するまでには、ずいぶんかかりましたし…。
山崎
そうなんですね。
遠山
はい。ですから、「なんか楽しそう」とはじめたい気分はあったにせよ、「うまくいかなくても、それでもやるのか?」みたいなところをあらかじめ考えておいたほうがいいな、と。自分たちからつくって世の中に提案をしていく、その「やりたいことが自分たちの中にちゃんとあったのか?」とか、それって、「誰がどうしてやっているんだっけ?」みたいな必然性というのかな。たとえば、「もともと実家がクリーニング屋で、だから現代のクリーニング屋をやりたいんです」とか。
山崎
強いパッションのような?
遠山
そうですね、まさに。個人の理由みたいなところかな、必然性って。でも仕事ってひとりじゃできない、周りを巻き込まなきゃいけないので、やっぱり意義があったほうがいいよね、と。「PASS THE BATON」だったら、リサイクルとかね。立ち戻って考えられる、「なんでやっているんだっけ?」というところを最初はわりと大事にしますね。
山崎
それこそ、最初の事業である「Soup Stock Tokyo」の立ち上げでも、なにかのインスピレーションがあったと思うんですが、その時はどういう思いがあったんですか?
遠山
最初は、三菱商事でサラリーマンを10年くらいしていて、「なにかやりたいな」と思っていたんですね。その時は、絵の個展をやったんですけど、それがきっかけで「なにかやりたい病」みたいな感じになって。そんな中、ある時、女性がスープを飲んで、ほっとしているシーンが思い浮かんで…。そのとき、なにかとても大事なものと出会えたような気がしたんですね。
山崎
なるほど。
遠山
そこから3カ月かけて物語の企画書を書いたんですが、そこには「「Soup Stock Tokyo」はスープを売っているが、スープ屋ではない」とか「一言でいうと、共感」という言葉を書いていたんです。要するに、スープという旗印のもとに共感して集まった仲間と、自分たちが「いいよね」と思えるものをつくって世の中に提案していくことで、スープ以外のものにも共感の関係が広がっていくのではないか、と思ったんですね。その最初の背骨がスープであるというのがとてもいいな、と。
山崎
今のお話からも感じたんですが、遠山さんご自身は意識していないとしても、世の中的には、「スマイルズさん=とてもブランディングが上手な会社」というふうに見られている方が多いと思うんですね。それというのは、やはりそもそもの背骨がしっかりしているというのが大きいんでしょうか?
遠山
そうですね。「Soup Stock Tokyo」の1号店なんかは、それこそ企業という体裁じゃないですし。私自身のことで言えば、個展をやったところからつづいているんですよね。
山崎
なるほど、そこからつながっているんですね
遠山
個展って、自分の表現だったり、それを仲間が一生懸命手伝ってくれたり、共感して購入してくれたり、そういうことなので。まず自分発信、そこからスタートしないと意味がないんですね。その部分は、スープという事業になっても実は同じなんです。

行動には神様がおまけをつけてくれる。

山崎
個展っていうのものが、1個のキーワードだと思うんですけど。なぜ個展を開こうと思ったのですか?それはいわゆるアーティスト活動ですよね?
遠山
絵は、好きといえば好きだったんですけど。もう本当に単なる憧れですよね。それが、ある人と飲んでいる時に、「将来なんかやりたいことあるの?」と聞かれて、「絵の個展かな」みたいな感じで答えて。今の私が聞いたら、それこそなんの意義も必然性もない感じなんですけど(笑)。なんだけど、その人に背中を押されたこともあって、いざやってみたんですね。それがすごくよくて。今の話の流れで言えば、必然性や意義以上に、行動ということ自体に価値があったんだな、と。
山崎
なるほど。
遠山
行動を起こすと、すごくいろいろな要素が舞い込んできて…。たとえば、サラリーマンをやりながら絵の個展をやると、仕事のほうもちゃんとパフォーマンスをあげておかないと、「なにやってるんだ!?」と必ず言われますよね?あるいは、絵のほうも、「三菱商事の高給取りが趣味でやっているのか」と言われる。だから、1,000円でもいいから、ちゃんとプライスをつけよう、と。降りかかってくるものを、一個一個つぶしていって…。
山崎
結構、大変そうですね。
遠山
やっぱりね、人って、未来のこととか、やったことがないことをやることに、リスクとか不安とか恐怖を感じるんですよ。だから逆に、それをやっている人に対して、「ん?なんかすごいな、こいつ」ということを無自覚的に感じてくれるみたいで、協力をしてくれたりするんですね。だから、私は後で自分の本に「行動には神様がおまけをつけてくれる」なんて書いたんですけど。
山崎
すごく素敵な言葉ですね。
遠山
だから、行動自体に価値があるということですね。もう後戻りもできないし、「それ、お前自身がはじめたんだよね?」ということになるわけですから。そこで人のせいにしないで済むように。「安倍さんがこう言っていたか」らとか、「TPPがこうだから」とか、そういうことではなく…。
山崎
他者依存ではなくて、ですね。
遠山
そうそうそう。それだとね、そのせいにしちゃって、自分自身も。結局、うまくいってもいかなくても自分ごとになっていかないんですね。
山崎
マーケティングって、多分にそういうところがありますよね。
遠山
いろいろな意味があると思うので、一概には言えないですけど。私はなんとなくマーケティング嫌いというか、外に理由を見いだしても、うまくいった時にあんまり喜べない部分があって。うまくいかなかった時に、じゃあまた新聞を読んで、またアンケートをとって、「結局なんだったんだっけ?」というような。失敗のし甲斐がないというか…。
山崎
なるほど。そうすると、やっぱりアートの原体験みたいなものにつながっていくのかなと思うんですけど。
遠山
そうですね。結構、アートとビジネスって似ているな、と感じる部分はありますね。アートからすれば、ビジネスって別に似てもなんでもない、気にもならない存在だと思うんですけど。ビジネスから見た時というか、我々がビジネスをやる時に、今までなかったものを想像して、暗闇の中から一生懸命かたちをつくっていって。それがうまくいくかどうかもわからないんだけど、「えいっ!」とがんばってスタートするわけじゃないですか?そういうのって、アートもまさに彫刻とかね、木とか石の中から形をつくり上げていくわけで、そういう意味で似ているな、という感じがあります。
山崎
確かにそうですよね。
遠山
ビジネスの場合は、そこに金銭とか、儲けなきゃいけないという、いろいろな制約も出てきて、むしろ大変なんですけどね。

「合理的な説明はできないけど」という強さ。

山崎
絵は今も日常的に描かれているんですか?
遠山
いやいや、全然なくてですね。今はもう仕事そのものっていうのかな、そういうのが楽しくて。「スマイルズの五感」という5つの言葉があるんですけど、その中に「作品性」という言葉があって。ビジネスを作品だと思っているわけですね。私が絵を1枚描くよりも、ブランドと言うか新しい業態のほうが、世の中に対しての幅も広いし、反応も返ってくるし、やり甲斐がありますよ。
山崎
お話を聞いていると、遠山さんの場合は、外に出す顔と内面というものが、すごく一体化している感じがしますよね?人間の本質的な部分というのは、すごく柔らかいところだと思うんですよ。多くの人は、いろいろな制約の中で仮面をつけて、柔らかい部分というものを見せないようにしていて…。けれど、遠山さんの場合は、その柔らかいところを社会に拡散しているような感覚を受けます。
遠山
そうですね。でも当たり前と言えば当たり前なんでしょうね。役者さんとか、ミュージシャンとかも、自分の中から出てきたものを表現しているわけで。ただ、逆に私の場合は、単に自分の思いつきをそのまま形にしているだけか、というとそんなにうまくはいかなくて…。
山崎
それはそうですよね。
遠山
やっぱり、やりたいこととビジネスのバランスというのは大事です。うちの経営陣には、ちゃんとお金の勘定ができる人とか、人事が得意な人とか、いろいろな人がいるわけですね。そういう人たちと一緒になりながらバランスを取ってやっているんです。
山崎
そういう、会社のチームというのは、どのようにつくられてきたんですか?
遠山
これ、誤解を受けるとあれなんですけど、意外と、私自身が面接で落とすということはあんまりないんです。要するに、人事が一生懸命選んできた人たちだし、そこはチームとしてやっているので、「じゃあ、もうそれで」という感じなんですよね。
山崎
でも、その状況をつくるまでというのは、紆余曲折があったんじゃないですか?
遠山
どうですかね。私、会社の中で、全然我が強くないと思うんですよ。「みんな、それぞれがプロ」って言うと格好よすぎるかもしれないけど、そういうつもりで。相手を自然に立てるというか、私ができないからお願いしているわけで。
山崎
なるほど。そういう信頼できるメンバーがいる中で、遠山さんが今一番、会社としてコミットしているところってどこですか?人に任せるところと、ここだけは自分でやるという部分があると思うんですけど
遠山
最近の動きでいうと、一昨年あたりからアートをスマイルズ自身がアーティストとしてやっているんですけど、これはなかなか、普通の社員では無理ですよね。その考え方自体がちょっと特殊ですし、それはやっぱり私でいいかなという感じはあります。
山崎
なるほど、アートですか。
遠山
これまで、会社がアーティストとして活動するというのは、ほとんど前例がないと思うので、それはすごくおもしろいですね。最初の個展もサラリーマン時代にやったわけですけど、その時のことをよく講演会で、「合理的な説明はできないけど」と言っていたんですね。それが最近になって、今やっているアートも、企業としてはまったく合理的な説明がつかないなと思うんです。けれど、むしろそれがよかったなと感じていて。要するにね、合理的な話って、合理的な話で打ち返されるんですよ。
山崎
より強いロジックで打ち返されたりしますよね。
遠山
そうそう、そうなんですよね。だから、もういっそのこと、なにを言っているかわからないような、そういうもののほうが強いのではないかな、と。むしろ、その説明がつかないようなものがなかったら、スマイルズという会社は、とっくに無くなってしまっていると思うんですよね。私は当時の個展のことを後から「熱病のようだった」と書きましたけど、それと同じように、現在のスマイルズがやっていることを5年後に見た時に、「あの時、ああいうことに踏み切ったことが、もう一段変わるきっかけだったよね」と言われるようになりたいな、と。
山崎
価値観が次の時代にあるということですよね。
遠山
そうですね。だから、そこは踏ん張っていきたいと思いますね。

100歳まで社長をやる。

山崎
以前、なにかのインタビューの記事で、「33歳までに個展をやる、43歳までに社長になる」という目標をお持ちだったというのを拝見したのですが、53歳までの目標というのはなんだったんですか?
遠山
それはね、なかったんですね。
山崎
そうなんですか?
遠山
でもその頃には…、あっ、そうか、もう53歳を過ぎているのか。あ、ついこの前だ(笑)
山崎
それで、53歳までの夢がなんだったのか、叶ったのかという行方が気になったんですけど(笑)。
遠山
すっかり忘れていました(笑)。叶っていないですね。夢と言うか、当時ちらっと言っていたのは、「映画とか撮りたいな」と言っていましたね。
山崎
いいですね。
遠山
それはいつかやりたいかな。でも、「映画を撮りたい」と言っている気分と、それが本当の映画というフォーマットなのかはわからないですね。
山崎
なるほど。映画のような価値観が動くなにかをやりたいということですよね?
遠山
そうですね。こんなことを言ったら身も蓋もないかもしれないけど、一昨年からやっているアートという表現は、むしろ映画以上かもしれない。映画は映画というフォーマットがあるけど、アートって、フォーマットすらつくっていくものじゃないですか?
山崎
確かにそうですね。
遠山
アートを企業がやっているという不思議とか。あと、我々は、コンセプチュアルなことがすごく多い世の中で、コンセプトに寄り過ぎない、もっとフィジカル的で、「楽しい」とか「ドキっとした」とか、そういうことを大事にしたいと思っているんですね。フォーマットとまでは言えないかもしれませんけど、ルール自体をつくっていくことがアートの楽しさみたいな部分もあるので。
山崎
すごいですね(笑)。
遠山
「私は100歳まで社長をやるから、遠山くんも100歳まで社長をやりたまえ」と言われて…(笑)。なにを言っているのかなと思ったんですけど、でも、時代が本当に変わってきているので、120歳まで生きるというのも、幸か不幸かありえることですよね。だから、100歳まで社長をやるということが本当になったとすると、考え方が全く変わると思うんですよね。以前だったら、43、53ときて、63歳というのは最後というか、収束みたいな感じだったと思うんですけど。
山崎
100歳までとなると、まだまだ折り返し地点みたいなニュアンスになりますよね?
遠山
そうなんです。ちょっとニュアンスが違ってきちゃうので。今想像しているような夢で、特定している場合じゃないっていう感じがしますね。

仕事と人生を、より重ねられる生き方を。

山崎
遠山さんのお話というのはアートの文脈であったり、人間のフィジカルの部分であったり、文化的なものが大きなウェイトを占めていると感じるのですが、遠山さんにとって文化とはなんだと思いますか?
遠山
人そのもの、と言うのかな。経済はシステムですからルールが重視されますけど、文化というのはもっと、人そのものの価値に寄ってくるので、おもしろいし、大切な部分ですよね。20世紀が経済の時代だとしたら、21世紀は文化の時代なのではないかなと思いますね。
山崎
なるほど、文化の時代。
遠山
最近、うちの会社がお手伝いしていることで、1冊の本しか売らない森岡書店とか、あとはうちの社員がひとりで新宿の小さいバーをやっていたりとか、そういうのがあって。それを、「人生プロジェクト」なんて呼んでいるんですけど。そういう、仕事と人生がそのまま重なっちゃうようなものというのは、すごくいいな、と。やっている人からすれば当たり前のことかもしれないけど、私なんかはサラリーマンだったので、飛び込んでいく勇気みたいなことや、一人ひとりの魅力とか価値によって成立することというのは、やっぱりすごくおもしろく感じて。これからますます、そういうものが輝いていってほしいなと思いますね。
山崎
以前、森岡さんにもゲストに来ていただきましたけど、本当に素敵な挑戦ですよね。では、逆に経済とはなんですかね?
遠山
経済とは、その反対のほうを運用するためのステージとか仕組みですよね。先ほども言いましたけど、私は今、絵の個展をやるよりも、事業をひとつやったほうがおもしろさを感じるんですね。いろいろなスタッフの息づかいとか、お客さんとの関係性とか、いろいろないい話とかを含めて。だから、ビズネスをうまく利用してできる楽しいことって、すごくあると思うんですよね。
山崎
なるほど。経済を利用することで、文化価値を最大化する、ということですね。まだまだ、聞きたい話が沢山あるのですが、そろそろお時間がきてしまったので。最後に、リスナーの方にメッセージをお願いできますか?
遠山
そうですね。本当に一人ひとりの時代になっていくと思いますし、今日の話の中で言うと、私は目をつぶって頭から飛び込んだ行動自身に価値があったので。別に死にはしないので、とりあえずやってみると、すごくいろいろなものがどんどん開けてきたりとか、泳ぎがいのある世界が待っていると思います。がんばってください、皆さん。
山崎
ありがとうございます。この後、リアルトークサロンに場所を移して、遠山さんにはまだまだお付き合いいただきたいなと思っています。
遠山
ありがとうございました。
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